本記事では、調号(その楽曲のキーを表すもの)について詳しく解説していきます。
楽譜の習得には調号の理解がとても大切となります。
本記事は、作曲の知識について解説した記事のLesson15に該当します。
Lesson1から順にお読みいただくことでより効果的に内容を理解していただけますので、検索から当記事に来られた方はもしよろしければ以下からお読みくださいませ。
音楽理論やコードについて勉強するメリットと方法は?
特にこの記事の内容を理解していただくには、以下の前知識が必要となりますので、不安な方は以下のリンクをクリックして確認していただければと思います。
目次
調号とは?
調号とは、楽曲のキーを決めるために表されたものです。
キーには、ハ長調や変ホ長調など、全部で15種類ありますので、一覧や覚え方について後ほど解説していきます。
具体的には上記画像のピンクのまるで囲った場所が「調号」になります。
こちらの画像では、B(シ)とE(ミ)とA(ラ)の個所に♭がついています。
このような調号があることで、その楽曲において、B(シ)とE(ミ)とA(ラ)は次の記事で説明する臨時記号などがつかなければ常に♭を付けた音(半音下げた音)で演奏することになります。
なお、調号についている#や♭は、音の高さに関係なく有効です。
たとえば、上記ではB3、E4,A3の部分に♭がついていますが、違う高さでもすべてのB,E,Aの音、(B2やE5,A4など)も♭がつきます。
この調号は、すべてで15種類あり、1つの調号に対応する「長調(メジャーキー)」と「短調(マイナーキー)」があります。
全体として「長調(メジャーキー)」の曲は明るい雰囲気、「短調(マイナーキー)」は暗い悲しい雰囲気の楽曲になります。
同じ調号の「長調(メジャーキー)」と「短調(マイナーキー)」の関係性のことを「平行調」と言います。
調号の一覧
まずは調号の一覧を示します。
ト音記号、ヘ音記号それぞれの調号の付き方がわかるように大譜表で示していきます。
ハ長調/イ短調(Cメジャーキー/Aマイナーキー)
何もフラットもシャープも付かず、基本的にピアノの白鍵が中心となるのがハ長調/イ短調(Cメジャーキー/Aマイナーキー)
です。
#系の調号
シャープ系の調号は、すべてで7種類あります。
ト長調/ホ短調(Gメジャーキー/Eマイナーキー)
ファ(F)の音に常に#がつく(半音上がる)形となります。
ニ長調/ロ短調(Dメジャーキー/Bマイナーキー)
ファ(F)、ド(C)の音に常に#がつく(半音上がる)形となります。
イ長調/嬰ヘ短調(Aメジャーキー/F#マイナーキー)
ファ(F)、ド(C)、ソ(G)の音に常に#がつく(半音上がる)形となります。
ホ長調/嬰ハ短調(Eメジャーキー/C#マイナーキー)
ファ(F)、ド(C)、ソ(G)、レ(D)の音に常に#がつく(半音上がる)形となります。
ロ長調/嬰ト短調(Bメジャーキー/G#マイナーキー)
ファ(F)、ド(C)、ソ(G)、レ(D)、ラ(A)の音に常に#がつく(半音上がる)形となります。
嬰ヘ長調/嬰ニ短調(F#メジャーキー/D#マイナーキー)
ファ(F)、ド(C)、ソ(G)、レ(D)、ラ(A)、ミ(E)の音に常に#がつく(半音上がる)形となります。
嬰ハ長調/嬰イ短調(C#メジャーキー/A#マイナーキー)
ファ(F)、ド(C)、ソ(G)、レ(D)、ラ(A)、ミ(E)、シ(B)の音に常に#がつく(半音上がる)形となります。
♭系の調号
♭系の調号は、すべてで7種類あります。
ヘ長調/ニ短調(Fメジャーキー/Dマイナーキー)
シ(B)の音に常に♭がつく(半音下がる)形となります。
変ロ長調/ト短調(B♭メジャーキー/Gマイナーキー)
シ(B)、ミ(E)の音に常に♭がつく(半音下がる)形となります。
変ホ長調/ハ短調(E♭メジャーキー/Cマイナーキー)
シ(B)、ミ(E)、ラ(A)の音に常に♭がつく(半音下がる)形となります。
変イ長調/ヘ短調(A♭メジャーキー/Fマイナーキー)
シ(B)、ミ(E)、ラ(A)、レ(D)の音に常に♭がつく(半音下がる)形となります。
変ニ長調/変ロ短調(D♭メジャーキー/B♭マイナーキー)
シ(B)、ミ(E)、ラ(A)、レ(D)、ソ(G)の音に常に♭がつく(半音下がる)形となります。
変ト長調/変ホ短調(G♭メジャーキー/E♭マイナーキー)
シ(B)、ミ(E)、ラ(A)、レ(D)、ソ(G)、ド(♭)の音に常に♭がつく(半音下がる)形となります。
変ハ長調/変イ短調(C♭メジャーキー/A♭マイナーキー)
シ(B)、ミ(E)、ラ(A)、レ(D)、ソ(G)、ド(C)、ファ(F)の音に常に♭がつく(半音下がる)形となります。
調号の読み方や覚え方のコツについて
調号は15種類あって覚えるのが大変かもしれません。
呪文のように「ファドソレラミシ」とまず覚えてみましょう。
これは、シャープ系の調号にて、シャープがついていく順番を指します。
そして、フラット系でフラットがついていく順番はこの真逆になります。
次いで、「トニイホロ嬰ヘ嬰ハ」と同じく呪文を唱えるように覚えます。
これは、シャープが増えてくごとのキーの名前を指します。
「ヘロホイトニ」はシャープが増えてくごとのキーの名前を指します。(ただしヘ以外は頭に「変」がつきます。
また、一気に頭にたたき込もうとしても忘れてしまいますので、一気に覚えようとせず、上述した一覧を印刷し、壁に貼っておくと良いでしょう。
最初のうちはその紙をみながら活用します。すると自然と覚えていくようになりますのでこの方法はお勧めです。
調号であまり使われないものは?
実は15種類の調号の中で、あまり使われないものが3種類あります。
以前ピアノの鍵盤のお話で、ピアノの鍵盤は7つの白鍵及び5つの黒鍵の合計12の鍵盤の繰り返しであるとお伝えしました。
1オクターブの中にある鍵盤の数は12なので、本当は調号の数は12なんですね。
でも上述した調号は15種類あります。つまり3つ被っているということです。
具体的には、以下の3つが被っています。
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ロ長調/嬰ト短調(Bメジャーキー/G#マイナーキー)と変ハ長調/変イ短調(C♭メジャーキー/A♭マイナーキー)
調の名前にも出てくる「ロ」(B)と「変ハ」(C♭)は異名同音です。また、臨時記号がつかない場合の使われる音はすべて異名同音になりますので、この2つは被っています。
「楽譜の表記は合理的に」という観点から、♭が7つもついた変ハ長調/変イ短調(C♭メジャーキー/A♭マイナーキー)の調号はあまり使われません。
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嬰ヘ長調/嬰ニ短調(F#メジャーキー/D#マイナーキー)変ト長調/変ホ短調(G♭メジャーキー/E♭マイナーキー)
調の名前にも出てくる「嬰ヘ」(F#)と「変ト」(G♭)は異名同音です。また、臨時記号がつかない場合の使われる音はすべて異名同音になりますので、この2つは被っています。
シャープ系よりフラット系の方が見やすいと考えられることが多いので、嬰ヘ長調/嬰ニ短調(F#メジャーキー/D#マイナーキー)の調号はあまり使われません。
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嬰ハ長調/嬰イ短調(C#メジャーキー/A#マイナーキー)変ニ長調/変ロ短調(D♭メジャーキー/B♭マイナーキー)
調の名前にも出てくる「嬰ハ」(C#)と「変ニ」(D♭)は異名同音です。また、臨時記号がつかない場合の使われる音はすべて異名同音になりますので、この2つは被っています。
「楽譜の表記は合理的に」という観点から、#が7つもついた嬰ハ長調/嬰イ短調(C#メジャーキー/A#マイナーキー)の調号はあまり使われません。
まとめ
本記事では、調号についてすべて解説してきました。
- 調号はすべてで15種類ある
- 15種類のうち3種類は被っていて、合理的な方がよく使われる
全ての音楽活動をする人にとって、楽譜の読み方の習得は必須であり、そのために調号の理解は大切となります。
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