ペンタトニックスケールとは?2種類について覚え方や一覧表に使用曲紹介も!

 本記事では、2種類のペンタトニックスケール(メジャーペンタトニックスケールとマイナーペンタトニックスケール)について解説していきたいと思います。

例えば、ピアノの黒鍵のみの音を順番に鳴らしてみてください。

どこ懐かしいような、素朴な感じ、もしくは和風テイストや中華風な雰囲気を感じられたかと思います。

 実はこれは、「ペンタトニックスケール」という一種のスケールの響きの特徴です。

作曲や楽器演奏、歌い手などをされる方はペンタトニックスケールについての理解があるとより表現が豊かになりますので、当記事ではペンタトニックスケールについて詳しく解説していきます。

当記事は、作曲の知識を解説した記事のうちLesson29に該当する記事です。Lesson1から順に学んでいただくとより効果的に理解ができますので、もしよろしければこちらをご覧いただければ共います。

特に本記事の内容を理解していただくには、メジャースケールマイナースケールの前知識が必要となりますので、不安な方はリンクをクリックしてみてください。

ペンタトニックスケールとは?

 

 ペンタトニックスケールとは、スケールの1種ですが、あらゆるスケールの中でも構成音が少ないスケールとなっております。

 「ペンタトニック」の「ペンタ」とは数字の5を意味します。「ペンタゴン」が「五角形」の意味であることは比較的有名です。

 そしてその名の通り、5つの音(主音の1オクターブ上の音も含むと6つ)で構成されるのがペンタトニックです。メジャースケールやマイナースケールは7つの音(主音の1オクターブ上も含むと8つ)であり、クロマティックスケールは12の音(主音の1オクターブ上も含むと13)なので、それらと比べても構成音の数が少ないことが分かります。

 ペンタトニックスケールには、メジャーペンタトニックスケールと、マイナーペンタトニックスケールの2種類があり、構成音は、それぞれメジャースケール、ナチュラルマイナースケールから2つの音を省いたものとなりますので、以下に詳しく解説していきます。

ペンタトニックスケールの覚え方及び構成音は?

 では、メジャーペンタトニックスケールやマイナーペンタトニックスケールについてその覚え方や構成音の把握の仕方をお伝えしていきます。

メジャーペンタトニックスケールの覚え方及び構成音は?

 まずメジャーペンタトニックスケールから。

メジャーペンタトニックスケールは、通常のメジャースケールから、4番目と7番目の音を抜いた音階となり、俗に「ヨナ抜き音階」といわれます。

 メジャースケールを暗記できている方は「ヨナ抜き」という言葉を頭に入れていただくだけで12キーのペンタトニックスケールを把握することができます・

始めのうちはそれぞれのメジャースケールを把握し、そこから4番目の音と7番目の音を抜いてその響きをDAW打ち込みやピアノ、ギター、リコーダーなどを使って体感していただくことで自然と覚えるようになります。

 上記画像の左側が通常のCメジャースケール、右側がCメジャーペンタトニックスケールです。(主音から1オクターブ上の音は記載を省いております)

 「4番目と7番目の音を抜く」という構成ルールは12キーすべてのメジャースケールにて共通です。

上記がCメジャーペンタトニックスケールの響きです。

マイナーペンタトニックスケールの覚え方及び構成音は?

 次にマイナーペンタトニックスケール。

マイナーペンタトニックスケールは、通常のナチュラルマイナースケールから、2番目と6番目の音を抜いた音階となり、俗に「ニロ抜き音階」といわれます。

 ナチュラルマイナースケールを暗記できている方は「ニロ抜き」という言葉を頭に入れていただくだけで12キーのペンタトニックスケールを把握することができます。

 また、メジャーペンタトニックスケールを暗記できている方は、「その平行調と構成音が同じ」であることを把握できればマイナーペンタトニックスケールを導くことができます。

 始めのうちはそれぞれのナチュラルマイナースケールを把握し、そこから2番目の音と6番目の音を抜いてその響きをDAW打ち込みやピアノ、ギター、リコーダーなどを使って体感していただくことで自然と覚えるようになります。

上記画像の左側が通常のAナチュラルマイナースケール、右側がAマイナーペンタトニックスケールです。(主音から1オクターブ上の音は記載を省いております)

 「2番目と6番目の音を抜く」という構成ルールは12キーすべてのメジャースケールにて共通です。

上記がAマイナーペンタトニックスケールの響きです。

ペンタトニックスケールの一覧表

上記がマイナーペンタトニックスケールの一覧です。

ペンタトニックスケールが使用されている楽曲は?

 メジャーペンタトニックは、スコットランド民謡や日本の民謡、演歌の他、ポップスにも幅広く使われています。

マイナーペンタトニックスケールは、ブルースや和風ロックなどに幅広く用いられています。

 卒業式などで良く歌われる童謡「蛍の光」は、スコットランド民謡の楽曲ですが、メロディがメジャーペンタトニックスケールとなっています。

いきものがかりの「笑顔」という楽曲ですが、サビやAメロの一部にメジャーペンタトニックスケールが用いられています。

和風ロックかつボカロ楽曲の代表的な名曲で、和楽器バンドなどにも幅広くカバーされている「千本桜」という楽曲は基本マイナーペンタトニックスケールで構成されています。

公式MVが見つかりませんでしたが、海外のブルースの名曲であるEveryday I Have The Blues (BB キング)もマイナーペンタトニックスケールにて構成されています。

(ブルース自体がマイナーペンタトニックに基づいたスケールで主に組み立てられるジャンルになります)

是非とも生の音楽からどのように使われているか分析してみてください。

まとめ

 

 本記事では、ペンタトニックスケールについて、メジャーペンタトニック及びマイナーペンタトニックについて構成音やその把握の仕方、響きの特徴や使用曲について詳しく解説してきました。

  • メジャーペンタトニックはメジャースケールから4番目と7番目の音を抜いたスケール
  • マイナーペンタトニックはナチュラルマイナースケールから2番目と6番目の音を抜いたスケール
  • メジャーペンタトニックスケールはスコットランド民謡、日本民謡、演歌、J-POPなどに用いられる
  • マイナーペンタトニックスケールはブルースや和風ロックなどに用いられる

音大の受験をされる方や自身の演奏や作曲の幅を広げたい方は是非ともペンタトニックスケールについて理解していただければと思います。

質問などありましたらコメント欄にてお願いいたします。

コメントを残す