本記事では、臨時記号について解説していきます。
作編曲をするうえで、臨時記号を用いることでよりメロディや伴奏を豊かにするができます。また、演奏や歌に携わる場合も楽曲を正しく表現するためには臨時記号の理解が大切です。
なお、本記事は、作曲の知識について解説した記事のLesson16に該当します。
Lesson1から順にお読みいただくことでより効果的に内容を理解していただけますので、検索から当記事に来られた方はもしよろしければ以下からお読みくださいませ。
音楽理論やコードについて勉強するメリットと方法は?
特に本記事の内容を理解していただくには、以下の前知識が必要ですので、不安な方は以下のリンクより確認していただければと思います。
臨時記号とは?
臨時記号とは、とある音を、臨時で半音上げたり、半音下げたり、という表現をするために記載された記号のことを言います。
前記時で解説した「調号」とは似て非なるものです。
調号は、その曲のキーに従って、常に決められた音に#や♭を付けるものですが、臨時記号の場合は、調号で定められていない音に#や♭をつける形となります。
さらに詳しくまとめると、臨時記号は、
- 調号で定められていない音に#や♭を付けるもの
- 調号で定められた#や♭をキャンセルするもの
- 有効な臨時記号をキャンセルするもの
などがあります。
臨時記号のルールや読み方について(一覧も)
まず、臨時記号の一覧を示します。
- シャープ
上記は「シャープ」と読み、音を半音上げます
- フラット
上記はフラットと読み、音を半音下げます。
- ダブルシャープ
上記は「ダブルシャープ」と読み、音を全音上げます。(音を半音上げ、さらにもう一度半音上げます。)
レアキャラですが、ロ長調など標準時でもシャープが沢山つくようなキーにて、シャープの付いた音をさらに半音上げたい際によく使われます。
- ダブルフラット
上記は「ダブルフラット」と読み、音を全音下げます。(音を半音下げ、さらにもう一度半音下げます。)
レアキャラですが、変ト長調など標準時でも♭が沢山つくようなキーにて、フラットの付いた音をさらに半音下げたい際によく使われます。
- ナチュラル
上記は「ナチュラル」と読み、調号や臨時記号でついたシャープやフラットなどをキャンセルします
そして、臨時記号には以下のルールがあります。
- 臨時記号は、該当の音符の左側に着ける(イタリア語や英語の音名の際は右側に着けるので注意)
- 臨時記号の有効期限はその小節内
- 調号とは違い、同じ音名でも高さが違うものには無効
- 臨時記号が不要なところでも親切で表記する場合もある
上記の楽譜で実際に見ていきます。
- 黒枠で説明している部分は、Cにナチュラルがついているので調号で定められたシャープがキャンセルされます。
- 赤枠で説明している部分は、先ほどのCナチュラルと同じ小節内なのでまだナチュラルが有効で、シャープはキャンセルされたままです。
- 黄色枠で示したところは、Cの音ですが先ほどのCとは違う高さなのでナチュラルは無効、調号に従いシャープがつきます。
- 緑枠で示したところはCですが、先ほどのナチュラルは小節が変わったため有効期限が切れ、調号に従ってシャープを付けます。
- 青枠で示したところは、臨時でDにシャープを付けています。
- 紫枠で示したDの音は、先ほどのシャープと同じ小節内なのでまだ有効であり、シャープを付けます
まとめ
本記事では、臨時記号についてすべてを解説してきました。
楽譜を読めるようになるためには、臨時記号の読み方を理解することが大切となり、臨時記号の習得はすべての音楽活動家にとって豊かな表現をすることに役立ちますので、当記事を繰り返しお読みいただければと思います。
また、「ベーシックコース」に該当する記事につきましては、コメントも受け付けておりますので、意見や質問、分かりにくい箇所などございましたら書き込んでいただければと思います。
なるべく早い段階でお返事します。
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