今までの記事では、ピアノの白鍵同士の組み合わせのみで、音程について詳しく解説してきました。
一方で、作曲に必須であるコード理論を習得していくためには、さらに2音のどちらか、もしくは両方に#や♭がついた音についてもその音程を把握できる必要があります。
#や♭がついたものも含めると、2つの音の組み合わせは数百にも及び、すべて丸暗記するのは困難です。
そこでこの記事では、#や♭がついた音程について、一瞬で簡単に把握できる方法を分かりやすく解説していきます。
そして、内容を理解できたことを確認するために練習問題もいくつかご用意しております。
こちらは、作編曲に関する知識のLESSON24に該当する記事です。
LESSON1から順に学んでいただくとより効果的に理解ができますので、検索などで来られた方はよろしければこちらの記事からお読みいただければと思います。
特に当記事の内容を理解していただくには、ピアノの白鍵同士の組み合わせの音程についての前知識が必要となりますので、不安な方はこちらの記事をチェックしてみてください。
目次
音程の問題の解き方&便利なすごろく表
まず、2つの音程の問題を解く場合で、2つの音のどちらか、もしくは両方にシャープやフラットがついていた場合、一旦それらを取っ払って音程を把握します。
そして、そのあと臨時記号の付き方が、
- 音程が1つ狭まる
- 音程が1つ広がる
- 音程が変わらない
- 音程が2つ狭まる
- 音程が2つ広がる
のいずれに該当するものかを把握していきます。
上記図の右側のように、
- 上の音のみに♭がついているもの(天井が低くなる)
- 下の音のみに#がついているもの(床が高くなる)
は、臨時記号の付いていない左側の2音よりも、音程が「1つ狭まる」ということになります。
上記図の右側のように、
- 下の音のみに♭がついているもの(床が低くなる)
- 上の音のみに#がついているもの(天井が高くなる)
は、臨時記号の付いていない左側に2音よりも、音程が「1つ広がる」ということになります。
上記図の右側のように、
- 両方の音に♭がついているもの(床も天井も低くなる)
- 両方の音に#がついているもの(床も天井も高くなる)
は、臨時記号の付いていない左側に2音と、音程が「変わらない」ということになります。
上記図の右側のように、上の音に♭がついていて、かつ下の音に#がついている場合、床が高く、天井が低くなるので、臨時記号の付いていない左の2音に比べて、音程は「2つ狭まる」ことになります。
上記図の右側のように、上の音に#がついていて、かつ下の音に♭がついている場合、床が低く、天井が高くなるので、臨時記号の付いていない左の2音に比べて、音程は「2つ広がる」ことになります。
そしてここまで把握できましたら、上記のすごろく表を用います。
まず、臨時記号の付いていない場合の音程が、該当する音程の呼び方の所にコマを置きます。
そして、臨時記号がどのようについているかを把握し、
- 音程が1つ狭まる→1マス左へ
- 音程が1つ広がる→1マス右へ
- 音程が変わらない→そのまま
- 音程が2つ狭まる→2マス左へ
- 音程が2つ広がる→2マス右へ
コマを進めます。進めた先が、新しい音程の名前ということになります。
例えば、上記のEとその上のD#の音程を把握してみます。
- 臨時記号の付いていな場合、つまりEとその上のDの音の音程を把握→短7度(Minor7th)
- 臨機記号の付き方を把握→上の音のみシャープがついているので「1つ広がる」
- 1,2に基づき、短〇度(Minor〇th)にコマを置き、右へ1マス進める
→この結果、Eその上のD#の音程は長7度(Major7th)ということになります。
音程の問題を解いてみよう!
それでは、音程に関する問題を5問ほど解いてみましょう。
まずは考えてみて、分かったら解答へと進めてください。
問題
問1)
以下の音の音程は?
問2)
以下の音の音程は?
問3)
以下の音の音程は?
問4)
以下の音の音程は?
問5)
以下の音の音程は?
解答
問1)
- 臨時記号の付いていな場合、つまりDとその上のGの音の音程を把握→完全4度(Perfect4th)
- 臨機記号の付き方を把握→s下の音に#、上の音に♭なので「2つ狭まる」
- 完全〇度(Perfect〇th)にコマを置き、左へ2マス進める
答え:重減4度(Double Diminish 4th)
問2)
- 臨時記号の付いていな場合、つまりDとその上のAの音の音程を把握→完全5度(Perfect5th)
- 臨機記号の付き方を把握→上の音に♭なので「1つ狭まる」
- 完全〇度(Perfect〇th)にコマを置き、左へ1マス進める
答え:減5度(Diminish 5th)
問3)
- 臨時記号の付いていな場合、つまりCとその上のBの音の音程を把握→長7度(Major7th)
- 臨機記号の付き方を把握→上の音にも下の音にも♭がついているので音程は「変わらない」
- 長〇度(Major〇th)にコマを置き、コマを進めない
答え:長7度(Major7th)
問4)
- 臨時記号の付いていな場合、つまりAとその上のBの音の音程を把握→長2度(Major2nd)
- 臨機記号の付き方を把握→下の音に#なので「1つ狭まる」
- 長〇度(Major〇th)にコマを置き、左へ1マス進める
答え:短2度(Minor2nd)
問5)
- 臨時記号の付いていな場合、つまりGとその上のBの音の音程を把握→長3度(Major3rd)
- 臨機記号の付き方を把握→下の音に#、上の音に♭なので「2つ狭まる」
- 長〇度(Major〇th)にコマを置き、左へ2マス進める
答え:減3度(Diminish 3rd)
まとめ
本記事では、♯や♭がついた場合の音程の把握の仕方について解説してきました。
なお、減1度、重減1度、重減2度という音程は存在しません。
なぜなら、それらは上の音が下の音よりも低くなる、建物でいうと1階の天井よりも1階の床の方が上にあるという、構造上あり得ないものとなるため、そのような概念が存在しないからです。
コードを学ぶにあたり、音程の理解は必ず必要となります。
本記事はベーシックコースの中で最も難しい内容かと思いますが、できるだけ簡単に分かるように解説をしてきたつもりです。
もしわかりにくい箇所等ございましたら、コメント欄に記入していただけましたらなるべく早めに回答するようにいたします。
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