この記事では、音域の表記をすることを考慮した音名のつけ方について詳しく解説し、最後にボーカルや各楽器の音域について簡単に紹介します。
- 作編曲で、各楽器の音域について把握する場合
- 歌い手と作編曲家の間で歌パートの音域について打ち合わせをする場合
- DTMでキースイッチを使って奏法を変化させる場合
などに、音域の表記をすることを考慮した音名のつけ方について理解する必要があります。
本記事は、作曲の知識について解説した記事のLesson7に該当します。
Lesson1から順にお読みいただくことでより効果的に内容を理解していただけますので、検索から当記事に来られた方はもしよろしければ以下からお読みくださいませ。
音楽理論やコードについて勉強するメリットと方法は?
特に当記事の内容を理解するには、あらかじめ音名について理解しておく必要があるので、不安な方は以下をクリックして確認してください。
なお、当記事で解説する音域を考慮した音名は、Cubase上でものであり、楽典のものは少し表記が異なるので、「まとめ」の段落にて説明しています。
目次
音域の表記を考慮した音名のつけ方
今までの記事で、
「ピアノの鍵盤は白鍵7鍵と黒鍵5鍵の決まった配置パターンの繰り返しであり、その繰り返しの1つを取り出した場合、それぞれに音名がついている」という内容を解説してきました。
ただし、いままでのお話では、その音名が鍵盤の配置パターンの何番目にあたるかが表現できませんでしたので、これから解説していきます。
音域の表記を考慮した音名は、それぞれの音名(Cなど)の右横に、鍵盤パターンの繰り返しの何回目に該当するかによって、-1~7の数字を付けて、
C3
といった形で表現します。
シャープやフラットがついた場合は、前記時のルールにのっとって、
C#3 E♭3
などと表記します。
上記がピアノの鍵盤および、音域を考慮した音名を表した図となります。
(分かりやすくするため繰り返しパターンごとに色を付けていますが、実際の鍵盤に色はついていません)
スマホの方は拡大してご覧ください。
それでが、各繰り返しパターンについて詳しく見ていきましょう。
分かりやすくするために、まずはピアノの鍵盤の88鍵のうち、以下4つを除外してください。
- 一番左の白鍵
- 左から2番目の白鍵
- 一番左の白鍵と左から2番目にある白鍵の間にある黒鍵
- 一番右の白鍵
そして、左から順にみていきます。
繰り返し1回目 C0~B0
上述した4つの鍵盤を除いた場合,1回目の繰り返しパターンにあたる部分、(当段落上部の画像のうち灰色で示した部分)は、音名の後に「0」を付けてC0,D0…B0と表記します。
画像にすると上記のような感じです。
それではC0-B0の音を聴いていただきましょう
かなり低い音であることがお分かりいただけたかと思います。
この音域のうち高めの部分についてはチューバやベースなどの低音楽器が奏でることがあります。
繰り返し2回目 C1~B1
上述した4つの鍵盤を除いた場合,2回目の繰り返しパターンにあたる部分、(当段落上部の画像のうち紫で示した部分)は、音名の後に「1」を付けてC1,D1…B1と表記します。
画像にすると上記のような感じです。
それではC1-B1の音を聴いていただきましょう
まだまだ低い音です。チューバやベースなどの中心的な音域がこのあたりです。
繰り返し3回目 C2~B2
上述した4つの鍵盤を除いた場合,3回目の繰り返しパターンにあたる部分、(当段落上部の画像のうち青色で示した部分)は、音名の後に「2」を付けてC2,D2…B2と表記します。
画像にすると上記のような感じです。
それではC2-B2の音を聴いていただきましょう。
やや低めの音域です。トロンボーンなどの中低音楽器の他、男声ボーカルの中心的な音域となります。
エレキベースは実際の音域はC1-B1が中心ですが、譜面上はコチラを中心とした音域で記譜されていることが多いです。
繰り返し4回目 C3~B3
上述した4つの鍵盤を除いた場合,4回目の繰り返しパターンにあたる部分、(当段落上部の画像のうち赤色で示した部分)は、音名の後に「3」を付けてC3,D3…B3と表記します。
画像にすると上記のような感じです。
それではC3-B3の音を聴いていただきましょう。
俗にいう「ピアノの真ん中のド」とはC3のことを指します。
また、A3の音は周波数で見た際の基準とされ、A3の音が440Hzになっています。
女声や子供のボーカルの中心的な音域であり、トランペットやソプラノ、アルトリコーダーなど主役級の楽器はこの音域が中心のものが多いです。
繰り返し5回目 C4~B4
上述した4つの鍵盤を除いた場合,5回目の繰り返しパターンにあたる部分、(当段落上部の画像のうちオレンジ色で示した部分)は、音名の後に「4」を付けてC4,D4…B4と表記します。
画像にすると上記のような感じです。
それではC4-B4の音を聴いていただきましょう。
やや高めの音域です。この音域の下の方の音は女声ボーカルの音域に入ります。
最近はKingGnuやBTSなど、男性ボーカルでもこの領域を出せる兵が現れてきています。
エレキベースの高音ソロはこの音域が中心です。
繰り返し6回目 C5~B5
上述した4つの鍵盤を除いた場合,6回目の繰り返しパターンにあたる部分、(当段落上部の画像のうち黄色で示した部分)は、音名の後に「5」を付けてC5,D5…B5と表記します。
画像にすると上記のような感じです。
それではC5-B5の音を聴いていただきましょう。
かなり高い音域となってきました。
ピアノの右手やエレキベースの高音ソロなどにこの音域の音が出てくることがあります。
繰り返し7回目 C6~B6
上述した4つの鍵盤を除いた場合,7回目の繰り返しパターンにあたる部分、(当段落上部の画像のうち水色で示した部分)は、音名の後に「6」を付けてC6,D6…B6と表記します。
画像にすると上記のような感じです。
それではC6-B6の音を聴いていただきましょう。
ピアノの右端に近い音で、相当高い音となり、楽曲でこの音域が使われることは少数です。
冒頭で除外した音について
冒頭で分かりやすくするために除外したおとの音名は以下のようになります。
- 一番左の白鍵:A-1
- 左から2番目の白鍵:B-1
- 一番左の白鍵と左から2番目にある白鍵の間にある黒鍵:基準とする音によりA#-1もしくはB♭-1
- 一番右の白鍵 C7
ピアノの88鍵を左にはみ出した音の音名について
Electri6ityや、SessionStringsでキースイッチで奏法を変更させる際、指定されたキースイッチがピアノの88鍵の最低音であるA-1を下回る音が設定されている場合があります。
その場合は上記のような音名となります。赤色に塗った鍵盤がピアノ再低音のA-1であり、それよりも左に鍵盤を妄想した際の音名ですので、必要な方は理解していただければと思います。
歌や楽器などの音域
当記事で解説してきた表記法で、歌や楽器などの平均的な音域をいくつか紹介してみます。
- 女声ボーカル G2-D4
- 男声ボーカル A1~G3
- ピアノ A0~B5
- ベース A0~E2(エレキベースの譜面表記はA1~E3)
- ギター(コード) E2~E4
- エレキギター高音ソロ G3~D5
といった感じです。
ボーカルには個人差が大きくあります。
楽器に関しては実物でもDAW打ち込みでももう少し広い範囲で音を出すこと自体は可能ですが、音がきれいになる得意領域はおおよそ上記の音域となります。
まとめ及び楽典での表記
当記事では、音域(音の高さ)を表記することを考慮した音名のつけ方について解説し、いくつかの歌や楽器に関して中心的な音域を紹介してみました。
なお、当ページで解説したものは、DAWのCubase上での音名となり、楽典での音名表記は少し異なります。
具体的には、楽典では音名の後に着ける数字が、当記事解説のものより1大きくなります。
つまり真ん中のドはC4となり、ピアノの鍵盤内にマイナスの数字が表記される音が無くなります。
音大受験などを考えられている方はこちらで覚えていただくようにお願いいたします。
また、本記事以降、「ベーシックコース」に該当する記事につきましては、コメントも受け付けますので、感想や質問などあればそちらからお願いいたします。
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