今まで作曲について、コードをメインに解説してきました。
コードというのはラーメンでいうところのスープに該当する最も重要なものであり、塩なのか醤油なのか、豚骨なのか、味を最も大きく左右するのは間違いありません。
その分解説のボリュームもコードに占めるものが大きくなりますが、やはりラーメンの主役は麺であるように、音楽の主役はメロディになります。
そんなメロディがどうしても思いつかない、という時にとれる手法を2つ紹介します。
- メロディのパターンを利用する
- メロディやリズム、コードなどの反復手法を用いる
上記を心掛けると、メロディがいく分思いつきやすくなるかと思いますン度絵、以下に解説していきます。
目次
メロディのパターンを利用する
世の中には様々な曲が溢れていますが、そのメロディにはある程度のパターンがあるものが多く、代表的なものを4つ紹介します。(パターンの名前は当サイト独自のものです)
1曲通して同じ型を使用するのではなく、Aメロ、Bメロ、サビ・・・などそれぞれでパターンを変えると曲に変化も出てきます。
ウェーブ型のメロディ
メロディが波のように上下するパターンです。
波の高さは曲によって様々ですが1つのセッションの中で音が上がる、下がるを繰り返していきます。
バラードなどゆったりした曲で生える方となります。
コブクロの「桜」という楽曲が割と典型的なパターンです。
1:42あたりからサビですが、「桜の・・」と低めに入って、「散るたびに」の「散」まで上昇したら音程が下がっています。 そして「届かぬ・・」で下がりきって折り返して上昇に転じ、「またひとつ」の「ま」で上がりきってそこから下降します。
このように、メロディが上下するウェーブ型のフレーズを生かしてゆったりとしたバラードに映えるメロディを作ることができます。
スケール型のメロディ
スケール型のメロディは、先が読みやすく、キャッチーな雰囲気が出やすいです。
ドレミファソ・・のように、そのキーのスケールの順番に音が階段状に並んだパターンです。
比較的分かりやすいのがスピッツの「スカーレット」という楽曲です。
0:09あたりからサビで歌いだしになりますが、ヘ長調で「ラシ♭ドド ドレミミ ミファソソファミファラ」というメロディで、Fメジャースケールの第3音からの順番通りになっています。
ランダム型
一番リスナーにハラハラドキドキ感を与えるのがメロディがランダムに動いて先が読めないランダム型です。
miletさんの「Fainal Call」という楽曲です。
1:17あたりからサビになりますが、上がり切って下がると問い思ったらさらに上がったり、激しく上下するなど、先の読めない転回になっていてミステリアスさや曲のメッセージの持つ反骨精神を色濃く表しています。
同音反復型
クラシックではあまり見られない、ポピュラーミュージック独特のメロディ手法といえます。
同じ高さの音を何度か連打するようなメロディで、スピーティーな展開に使いやすいです。
GLAYの誘惑という楽曲です。GLAYらしいアップテンポなハードロックですが、サビの入りがF(ファ)の音の連打から始まっていて、スピード感をよりアップさせています。
メロディやリズム、コードなどの反復手法を用いる
なかなかそれでもメロディが思いつかないという方は、ひょっとしたら1つの曲の中に様々なフレーズを詰め込もうとしすぎているかもしれません。
そういう時は「反復」の手法を用いてみましょう。
反復とは、繰り返しの意味ですが、ここでは「サビを2回繰り返す」といったセッションのくり返しではなく、単一セッションの中における繰り返しのことを言っています。
作曲初心者ほど、「反復」は手抜きだと考えがちですが、「反復」は立派な技法であり、むしろ反復を積極的に用いることで、印象に残りやすいキャッチーな楽曲になることが多いです。
逆に詰め込みすぎると、メロディーを考えるのが大変なだけでなく、リスナーを疲れさせるうえ、結局楽曲のどの部分が一番大事かが伝わらずに印象に残りにくい曲になります。
音楽の要素として、メロディ、リズム、コードがありますが、そのなかのいずれかやすべてを反復させる手法があります。
- メロディ・リズム・コードをそのまま繰り返す
- メロディ・リズムのみ繰り返す
- リズムのみ繰り返す
といったパターンがありますので、請謁ながら私のオリジナル楽曲を用いて説明させていただきます。
メロディ・リズム・コードをそのまま繰り返す
一番単純なパターンは、メロディ・リズム・コードの3要素をすべてそのまま繰り返す手法です。
私のオリジナル楽曲「ミンサー織の唄」は、メロディ・リズム・コードの3要素の反復を持ち家います。
1:12あたりからサビになりますが、「通してトン 踏みかえてトントン」の部分は、歌詞、メロディ、コードとも全く同じものを3回繰り返しています。
これにより、1回聴くとその部分のフレーズが強く印象に残るようにしています。
これは、セッションの繰り返しではなく、あくまでも単一セッションの中で行われている反復です。
メロディ・リズムのみ繰り返す
もっとも複雑かもしれませんが、メロディはそのままでコードを変えるという反復の手法もあります。
上記は私のオリジナル曲の「道」という曲です。
再生ボタンを押すとほどなく歌いだしのサビになります。
「悔し涙はいつかは」と、「本当の笑顔に変わる」は、メロディは全く同じものを使用していますが、コードは前半がG-D7,後半がEm7-Bm7となっています。
こういった反復のやり方でも楽曲をキャッチーなものにすることができます。
リズムのみ繰り返す
最も幅広く用いられているメロディの反復です。
コードもメロディも高さが変わりますが、メロディのリズムのみ同じものを繰り返します。
私のオリジナル楽曲「昭和感」です。
1:03あたりからサビになりますが、
「ただよう昭和感」と「あふれる昭和感」は、メロディの高さやコードは異なっていますが、リズムのみ同じものを繰り返しています。
ここでも耳に残りやすいキャッチーさを出すのに役立っているかと思います。
まとめ
「作曲でメロディが思いつかない時に使える2つの手法!」と題し、メロディ作りに役立つ2つの手法を解説してきました。
- ウェーブ型、スケール型、ランダム型、同音反復型など曲調に応じた型にあてはめてメロディを考えてみる
- メロディ、リズム、コードのうすべてもしくはいずれかを反復させることでキャッチーさを出してみる
等の方法があります。
作曲の際メロディが思いつかない際は是非ともこちらの情報を役立てていただければと思います。