いままで、ダイアトニックコードやセカンダリードミナント、リレイテッドツーマイナーにモーダルインターチェンジなど、コードに関する技法やその進行例などを説明してきました。
ここまでの内容をご理解いただければ、コード進行としては1曲まるまる完成させることも可能です。
ただ、実際に作曲にどのような形で取り入れていくかが分かりにくかったかもしれませんので、本記事で注意点と取り入れ方を3つ紹介していきたいと思います。
本記事の内容を理解いただくには、作曲の知識について解説したベーシックコース全般、前記時までのスタンダードコースの合計50記事の内容の理解が必要となりますので不安な方は確認いただければと思います。
目次
コード進行を作曲に取り入れる際の注意点
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本記事では、上記のコード進行を例に作曲へと取り入れる方法を解説していきます。
定番の4536進行にツーファイブワンを付加したものに、4番目の音を次に続くセカンダリードミナントに変更したものです。(それにより3つ目の音もリレイテッドツーマイナーの分析となります)
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普通にコードトーンを並べた場合、上記画像の上段のようになります。
一方で、これでは音が跳躍しすぎていて場合によっては幼稚に聞こえるかもしれません。
また、それぞれの楽器にきれいに響きやすい音域があるので、跳躍が大きいとそこをはみ出してしまう可能性もあります。
ですので、コードの和音の順番を変えることで、あまり音がぴょんぴょんしないようにします。
「転回形」を用いるわけではありません。転回形を用いると雰囲気が変わりますので、転回形の雰囲気を望まない場面で展開させるのは得策ではありません。
ここで用いるのは、ルートはベースなどの他の低音楽器に任せて、コード担当のパートはその部分のみで和音の順番を入れ替えます。
上記画像下側はのヘ音記号の五線は、別でベースなどが奏でているルート音となり、その上のト音記号の五線譜のように、音の跳躍を少なくなるように和音の順番を入れ替えていくとスムーズな響きになります。
3和音コードと4和音コードが混在する場合、コード担当のパートが3音の和音だったり4音の和音だったりが織り交ざるとこれもスムーズにならない場合があります。
4和音コードの場合も、コードパートは3つの音の和音にし、ベースのルート音とあわせて4和音の構成ルールに合うように配置するというやり方もあります。
コード進行を作曲に取り入れる方法1:単純にコードを伸ばす
コード進行を作曲に取り入れる方法で最もシンプルなのは単純にコードを伸ばすというやり方です。
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ヘ音記号は下でベースなどが伸ばしていると仮定しているルート音です。
ト音記号の五線譜のように、単純にコードの音を伸ばします。
ストリングスや歪んだエレキギターなど、倍音の多い音色で用いると、曲に奥行きが出たり隙間を埋めるのに役立ったりします。
コード進行を作曲に取り入れる方法2:コードでリズムを奏でる
コード進行を作曲に取り入れる方法で2番目に説明するのは、コードでリズムを奏でるという方法です。
アコースティックギターや、シンセサイザーなどにこの役割をさせることが多いです。
どんなリズムなのかは様々なものがありますが、代表的なものを3つ紹介していきましょう。
Aメロ→Bメロ→サビなど、曲が盛り上がるにつれて動きのあるリズムにしていくと曲が生えやすいです。
コードで奏でるリズム1 単純ストローク
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単純な四分音符のストロークです。Aメロなど静かなところで使いやすいです。
コードで奏でるリズム2 シンコペーション型
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シンコペーションといわれるリズムに似た動きで、単純な四分音符ストロークよりも動きがあります。
コードで奏でるリズム2 16ビート付点型
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付点八分や十六分音符を用いた動きのあるリズムです。サビなどに用いると良いかと思います。
コード進行を作曲に取り入れる方法3:アルペジオ
3つめに、アルペジオという形で取り入れる方法を紹介します。
上記2つは、コードを和音で一度に奏でていましたが、ここ紹介するのははコードの音を分解して順番に、もしくは順番を変えて八分音符などで奏でていく方法です。
ピアノやアコースティックギターなどサステインのきいたパートででよく用いられます。
アルペジオには複数の型がありますので代表的なものを3つ紹介してみます。
いずれの型でも、
- ルートと最高音の音程が1オクターブ以上になるように配置する
- ルートより低い音は入れない
の2点を意識すると曲に立体感と安定感が出ます。
また、ルートは別にベースなどの低音楽器で奏でてもOKです。
アルペジオ上昇型
下の段のヘ音記号がルート音です。
上昇型のアルペジオです。音が右肩上がりになります。
アルペジオ山型
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はじめ上昇して最後は下降する山型のアルペジオです。
アルペジオ谷型
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最初の音は高くなり、そのあと低い音から上昇する谷型のアルペジオです。
まとめ
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いかがだったでしょうか。
本記事では、作成したコード進行を楽曲へと取り入れていく方法について説明してきました。
コードを奏でるパートの数に決まりはありません。
単純に伸ばす、リズムを奏でる、アルペジオなどの手法の中から、複数またはすべてを選んでそれぞれ違うパートに奏でさせるとより曲らしくなります。
Aメロなど静かな部分はどれか1つ、Bメロ、サビと盛り上がるにつれて2つ、3つと増やしていくのもアリです。
一方で、あまりにもコード担当パートを重ねすぎるとごちゃごちゃしてしまう可能性もありますので、そこは作成している楽曲の雰囲気に合わせて、耳と感覚で適度な分量にしていくと良いかと思います。