本記事はいよいよ「スタンダードコース」の最終回となります。
今回は、Aメロ、Bメロ、サビなど楽曲の構成についての解説をしていきたいと思います。
楽曲の構成のパターンは無限通りありますが、本記事の内容を理解いただければ、代表的なパターンを使えるうえ、それぞれのセッションが持つ役割も活かすことができるようになっていただけます。
目次
Aメロ/Bメロ/サビ/Cメロの役割やつなげ方
歌物の楽曲であれば歌がある部分、つまりAメロ/Bメロ/サビ/Cメロについて説明していきます。
ポピュラーミュージックの中で比較的多い構成として、
Aメロ→Bメロ→サビ→2Aメロ→2Bメロ→2サビ→Cメロ→ラストサビ
というものがあります。それぞれのつなぎ方の例や役割の例を示します。
Aメロ→Bメロ→サビのつなげ方やそれぞれの役割は?
まず「1コーラス分」といわれるAメロ→Bメロ→サビもつなげ方やそれぞれの役割についてです。
基本的に「サビ」は楽曲を盛り上げる役割があり、AメロBメロはそのさびへとつなぐ役割があります。
つなげ方の基本としては、「サビを盛り上がらせる」ということになりますが、そのつなげ方は大きく2通りあります。
Aメロは静かに入りBメロで少し盛り上げ、サビでさらに盛り上げる
最もオーソドックスなパターンです。
まずは上記の図のように、Aメロは静か目に入ってBメロでやや盛り上げ、サビで最大限に盛り上がるスタイルです。
森山直太朗さんの「さくら」という名曲です。
ピアノとボーカルのみの楽器編成ですが、
Aメロは(0:11~)伴奏も控えめで、となっており、Bメロ(1:15~)で少しキーが上がり伴奏の音数も増えています。
そして、サビ(1:31~)では伴奏も複雑になり、音量も増え、ボーカルのキーもかなり高くなっています。
Aメロは中程度の盛り上がり、Bメロで落として、サビで一気にに盛り上げる
上図のようにAメロは中くらいのキーやボリューム、音数で入り、Bメロで少し落としてそのあとサビで一気に盛り上げるパターンです。
よりサビの盛り上がり感が強くなります。
忍たま乱太郎の主題歌として長年愛されている「勇気100%」という楽曲ですが、Aメロはそこそこのボリュームで入り、Bメロでいったん静かになっています。そしてサビで一気に開放するパターンです。
歌いだしサビのパターン
楽曲はAメロから始まる必要はなく、歌いだしがいきなりサビであるパターンもあります。
GLAYの「誘惑」という楽曲は、イントロの後突然サビで歌いだします。
そのあとAメロBメロが続いてもう一度サビが現れています。
Bメロが無いパターンやサビのみのパターン
その他、BメロがなくてAメロ→サビというパターンもあります。
スピッツのチェリーという楽曲は、Aメロ(0:24~)を2回繰り返した後、サビ(1:03~)に入っています。
その他、頻度は高くありませんが、サビと間奏だけを何度か繰り返すという楽曲も存在しますので、楽曲制作の際は選択肢に入れても良いかと思います。
Cメロの役割
ラストサビの前に、Cメロが挿入されるケースもあります。
人によってはCメロのことを「大サビ」「ブリッジ」という場合もあります。
Aメロ、Bメロとも違う新しいメロディが曲の終盤に出てきて、ラストサビの盛り上がりへとつなげます。
Cメロの盛り上がり具合は、曲によって様々で、サビ並みの曲もあれば、静かな場合もあります。
松田聖子さんの「あなたに逢いたくて」という楽曲です、上記動画では2番がカットされていますが、1:57あたりから新しいメロディが出ています。これがCメロといわれるものです。
楽曲によってはCメロが無かったり、Cメロの代わりに音量を落としたBメロを入れることもあります。
ラストサビの役割
楽曲の最後にサビが導入される楽曲は非常に多いです。(もちろん例外もあります)
最後に出てくるサビは楽曲が最も盛り上がる部分になりますので、1番や2番のサビと同じものの繰り返しではなく、そのための工夫がなされることも多いです。
- 1サビや2サビよりも音量や音の数を増やす
- ラストサビの前半をあえて静かにして(落ちサビといわれます)後半の盛り上がり感を出す
- キーを半音、もしくは全音上げる(転調といいます。)
などの手法にてラストサビを最大級に盛り上げると曲が決まりやすいです。
イントロ/アウトロ/間奏
歌物でも、イントロやアウトロ、間奏など唄のない部分があることが多いです。
それぞれの役割を解説していきます。
イントロの役割は?
イントロは、前奏ともいい、楽曲の雰囲気をなんとなくリスナーに示し、かつ歌いだしにつなぐ役割があります。
- Aメロと同じコード進行で別の主旋律を用意する
- サビとコード進行も主旋律も同じにする
- サビと同じコード進行で別の主旋律を用意する
- 他のどことも被らない新しいパターンを用意する
などの作り方があります。
イントロが無くいきなり歌いだすパターンもあります。
アウトロの役割は?
アウトロは、後奏とも言い、歌の部分が終わった後の曲の締めとして使われます。
- イントロと同じパターン
- サビとコードや主旋律が同じパターン
- 全く新しいパターン
- 上記のいずれかのパターンなどを繰り返しながらフェードアウトしていくパターン
などといった作り方があります。
アウトロが無く、歌い終わって直ちに曲が終わるパターンや、歌いながらフェードアウトしていくパターンもあります。
間奏の役割は?
楽曲の途中に存在する歌のない部分を「間奏」といいます。
間奏は、
- イントロと同じもの
- サビやAメロと同じもの
- サビやAメロとコード進行のみが同じもの
- 全く新しいもの
などを用意する手法があり、主に1番と2番の間や、2番とCメロの間、Cメロとラストサビの間に入れられることが多いです。
時には、AメロとBメロの間や、Bメロとサビの間に入れられることもありますし、間奏が無く歌いっぱなしの曲もあります。
楽曲構成パターンは?~まとめ~
Aメロ/Bメロ/サビ/Cメロやイントロ/アウトロ/間奏などの役割について解説してきました。
楽曲の構成パターンは、
などがありますので、ぜひとも参考にしていただければと思います。
構成パターンに決まりはなく、他にも様々なパターンがありますので、慣れてきたら独自のパターンで作ってみられるのも良いかと思います。
本記事にて、「スタンダードコース」は最終回となります。
「音楽知識ゼロ」の状態の方でも、こちらの記事から本記事までの55記事の内容を順番に理解していただければ、一通り「楽曲を完成」させることができるようになります。
さらに楽曲を彩るためのレベルの高い内容については、用意するのに時間がかかるのでしばらくお待ちくださいませ。