リファレンス曲から作曲するおすすめの方法と曲の選び方

 作曲をする際、リファレンス曲を用意してから作曲する、という手法があります。

「リファレンス(reference)」は、参考にする、参照する、という意味を持つ英単語ですので、リファレンス曲とは作編曲やミックスマスタリングなどとの時に参考にする既存楽曲のことを言います。

 単純に日本語で「参考曲」といわれることもあります。

 誰かから作曲の依頼を受ける際、依頼者がコード理論などについて熟知しているケースは少ないため、どのような楽曲の作成を希望するかを「リファレンス曲」を掲示することで伝える場合が多いです。

 「この曲と近い雰囲気でお願いします」みたいな感じですね。

 また、個人で作曲する際も、既存曲を聴いて「こんな感じの曲を作ってみたい」と思うこともあるかと思います。

 そんな時はその憧れの曲を「リファレンス曲」として作曲するのがおすすめです。

本記事では、「リファレンス曲」に基づいて作曲する方法や、おすすめの選び方などについて解説していきたいと思います。

リファレンス曲に基づいて作曲する方法

 リファレンス曲に基づいて作曲する場合、

  • パクリ(盗作)にならないこと
  • 離れすぎないこと

の相反する2点について注意する必要があります。

これらを満たすためのリファレンス曲からの作曲のおすすめの手順を紹介していきます。

1.音色を合わせる

 

 まず、音色をできるだけリファレンス曲と同じもの、近いものに合わせると良いです。

特に作曲をしないアマチュアのミュージシャンの場合、音色が近いことにこだわる方は多いです。

 リファレンス曲を何度も聴いて使われている楽器を把握し、DAWの各トラックにそれぞれの音色を割り当てていきます。

 耳コピが難しい場合はその楽曲のフルスコアなどを購入するのもアリです。

購入しなくとも楽器編成ぐらいは楽譜販売ページのサンプルで把握できる場合もあります。

 「ギター」や「ピアノ」「ドラム」などは分かりやすいですが、シンセサイザーの音は慣れないとトラックへの割り当てに苦労するかもしれません。

 たとえばCubaseであれば、HALion sonic SEにたくさんの音色が入ってますし、Kontaktをお持ちであればさらにたくさんの音色を選ぶことができます。

 シンセサイザーの「レトロローグ」にもたくさんのプリセットがありますのでそれらから近いのを選んでいきます。

 Aメロ、Bメロ、サビなど要所要所でできるだけ音色を合わせていきます。

2,コード進行は同じジャンルでよく使われる別の進行を用いる

 

 次にコード進行を考えていくとやりやすいです。

ただし、音色も同じ、コード進行も同じでは、パクリ疑惑が出てしまう可能性がありますので、コード進行は曲の雰囲気を大きく変えない程度に少し離すのがベストです。

 具体的には、リファレンス曲と同じジャンルでよく使われるコード進行を当てると便利です。

 たとえば、ダイアトニックコード定番の4536進行(Ⅳm7-Ⅴ7-Ⅲm7-Ⅵm7)がリファレンス曲に使われている場合、この4536進行はバラードによく使われる進行です。

 そこにはバラードでよく使われる別の進行、例えばカノン進行や、Ⅱm7-Ⅴ7-1M7-Ⅵm7、ⅠM7-Ⅴ7/Ⅱ-Ⅱm7-Ⅴ7といった進行を当ててみると良いでしょう。

 リファレンス曲がマルサ進行(ⅣM7-Ⅴ7/Ⅵ-Ⅵm7-Ⅴ7/Ⅳ)であれば、それをシンプル化したⅣM7-Ⅴ7-Ⅵm7-Ⅲm7などがおすすめです。

3.伴奏のリズム、雰囲気をリファレンス曲に合わせる

 

 伴奏のリズムは、曲の雰囲気を決めるのにとても大切ですので、できるだけ近い使われ方やリズムを用います。 

 モータウンビート、4つ打ち、アルペジオや、ストローク、ロングトーンなどできるだけ忠実に再現していきます。

ただ、あまりにもリファレンス曲に似すぎていると感じる場合は、同じジャンルに用いられる別のリズムを割り当てていくと良いです。

4.理論に基づいてメロディを作る

 

 音色、コード、伴奏ができたら,コード理論に基づいてメロディを作っていきます。

 なお、メロディはリファレンス曲と同じでは盗作になってしまいますので、使う音に関しては一旦リファレンス曲のことは忘れて、理論の知識を用いて作っていきましょう。

 メロディのリズムについては、音色、コード、伴奏ができた時点でリファレンス曲と少し似すぎていると感じた場合は離してやり、音色、コード、伴奏ができた時点で少しリファレンス曲と離れていると感じたら合わせてやると良いです。

メロディの作り方は以下をを参考にしてください。

作曲でメロディが思いつかない時に使える2つの手法!

作曲でメロディがダサいと感じる理由は?使える音を理解しよう!

メロディの作り方!アプローチノートで制限付きの音を使う方法7選!

5.タイトルは変える

 

 曲のタイトルはリファレンス曲と同じでは盗作が疑われます。

 雰囲気も同じ、タイトルも同じでは、第3者から見た時にパクリ判定されてしまう可能性があります。

「ありがとう」や「さくら」「ひまわり」「卒業」「I love you」など、日常でも使われる言葉でかつ同じタイトルの曲が複数あるようなものであればまだよいですが、その曲でしか使われないような言い回しをタイトルに用いると、確実に盗作扱いされてしまいますので注意しましょう。

リファレンス曲のおすすめの選び方

 

 リファレンス曲は、依頼を受ける場合はお客さんが指定してくるので選べないですが、自分で設定するときは、できるだけ参考にしやすいものを選んでいきます。

 特に「音色合わせ」で苦労するとそこで大きく時間がとられてしまいますので、なるべく音色が分かりやすい楽曲を選びます。

 ピアノボーカルのみの楽曲、バンドスタイルの楽曲などがやりやすいです。

ジャンルでいうと昭和の名曲や90年代のJ-POP、戦隊ヒーローものなどが音色が分かりやすいケースが多いです。

一方EDMやK-POPなどは複雑なシンセサイザーが多用されているケースが多く、リファレンス曲として音色を合わせることの難易度が上がりますので、慣れないうちは避けたほうが無難です。

 オーケストラやジャズのビッグバンドなどは、音色こそ分かりやすいですが、パートの数が多い分作曲に時間がかかりますので、慣れてからにすると良いでしょう。

まとめ

 

 本記事では、リファレンス曲をもとに作曲する手順と、リファレンス曲の選び方について解説してみました。

  • 作曲の際に参考にする既存曲を「リファレンス曲」または「参考曲」という
  • パクリにならずかつ離れすぎないことに注意
  • 音色はリファレンス曲にできるだけ合わせる
  • コードはリファレンス曲と同じジャンルでよく使われる別の進行を用いる
  • 伴奏のリズムや雰囲気はできるだけリファレンス曲と合わせる
  • メロディの音は理論を用いて作る
  • メロディのリズムはケースバイケースでリファレンス曲と合わせたり離したりする
  • タイトルは変える
  • できるだけ音色が分かりやすいリファレンス曲を選ぶ

上記を意識することで。スムーズにリファレンス曲に基づく作曲ができるかと思います。

ぜひとも憧れの楽曲を超える名曲を生み出していただければと思います。