既存の市販されている音楽の中でも、クラシックや童謡の名曲のフレーズをアレンジしてポピュラーミュージックのなかに組み込まれているようなものがたくさん存在します。
特に有名なクラシック音楽のフレーズは多くの人が知っているために、より楽曲に対して親近感を脇立てやすくする効果があります。
もちろんこの技法はあなた自身が作曲をする際にも活用することができます。
そこで本記事では、作曲をする人向けに、クラシックや童謡の名曲を楽曲に組み込んだ既存の曲の例や、活用の際の著作権などの注意点について解説していきたいと思います。
クラシックやアレンジしてオリジナル曲に用いた例
クラシックの名曲の中でも、最も多くアレンジに組み込まれている楽曲は「パッヘルベルのカノン」です。
コード進行としてカノン進行が用いられる曲は多くありますが、コードだけでなくフレーズも組み込まれた楽曲が存在します。
- いちょう/遊助
俳優としても幅広く任意のある上地雄輔さんの3rdシングルにあたる「いちょう」は、切ない別れの曲となっていますが、
サビや間奏のフレーズにパッヘルベルのカノンの有名な部分のフレーズが用いられています。
- あなたがいれば/華原朋美
公式MVがありませんが、月9ドラマ「東京湾系」のテーマ曲である華原朋美さんの「あながたがいれば」という楽曲は、間奏や2番以降のAメロの裏メロディにカノンの有名なフレーズが使われています。
・クリスマスイブ/山下達郎
山下達郎さんの名曲「クリスマスイブ」は後半の間奏でカノンのフレーズが出てきます。
上記はピアニストの辻井伸行さんがピアノバージョンで演奏されている公式動画ですが、1:57あたりからパッヘルベルのカノンのフレーズを確認できるかと思います。
パッヘルベルのカノン以外でもポピュラーミュージックに組み込まれた例はたくさんあります。
- Sailing my Life/平原綾香
平原綾香さんの「Sailing my Life」は、ベートーベンの悲愴ソナタ2楽章のフレーズがほぼそのまま使われ、そこにポップス風アレンジ及び日本語の歌詞が付けられています。
動揺のフレーズが使われている楽曲も存在します。
- ミツバチ/遊助
上地雄輔さんのアゲアゲの楽曲である「ミツバチ」は童謡「ぶんぶんぶん」のフレーズが一部付けられています。
このように、既存曲の中にもクラシックや童謡の名曲のフレーズを効果的に組み込んだ楽曲がたくさん存在しますので、ぜひともこれらを参考に作曲に活かしていただければと思います。
クラシックの著作権などの注意点
クラシックや童謡、民謡などのフレーズををオリジナル楽曲に用いる場合、気を付けなければいけないのが著作権です。
楽曲の著作権は、作曲者が亡くなってから70年は有効とされていますので、お目当ての楽曲の作曲者が70年前に存命だった場合は著作権が残っていますので、無断で使用すると違法になります。
パッヘルベルやベートーベン、ショパンなどは明らかに亡くなってから数百年たってるので著作権の問題はありません。
一方で、クラシックや童謡の中でも比較的新しいものも存在するため注意が必要です。
例えばアラフェンス協奏曲で有名なホアキン.ロドリーゴ氏は1999年まで存命でしたので著作権は消失していません。
童謡「夏の思い出」で有名な中田喜直さんは2000年に亡くなられています。私も当時中学生でしたがもニュースで訃報を聞いた記憶があります。
このように、クラシックや童謡の中でも思いがけず新しいものも存在するため、楽曲のフレーズを用いる場合は著作権のチェックは必須になりますのでご注意ください。
まとめ
本記事では、作曲家向けに、クラシックなどの名曲のフレーズを効果的に使用している既存曲の例の他、用いる際の注意点について解説してきました。
- パッヘルベルのカノンなど、クラシックの名曲のフレーズをポピュラーミュージックに用いている例はたくさんある
- 誰もが知っているフレーズを楽曲に組み込むことで、より親近感の湧きやすい楽曲になるという効果がある
- 作曲者が亡くなってから70年たっていない場合は著作権が消失していないため、無断でそのフレーズを使うことができない
古くから語り継がれている名曲に、オリジナルのアレンジを加えることで、より効果的に用いることができますので、ぜひとも作曲の際は参考にしていただければと思います。