このページでは、コード理論を勉強することに対するデメリットや、それに対する解決策を紹介していきます。
ポピュラー音楽などを作曲していくには、「コード理論」といわれる、ハーモニーに関する体系化された理論を勉強することが必要不可欠となっています。
音楽理論やコードについて勉強するメリットと方法は?
上記記事でも紹介した通り、コード理論などを学ぶことのメリットの方がはるかに大きく、私自身もコード理論を学ぶことで限界を感じつつあった作曲活動がより豊かになりました。
一方で「理論」と聞くと「難しい」「堅苦しい」というイメージをお持ちの方も多く、「理論なしで作曲する方法」いわゆる「感覚的作曲法」の習得を求める人も多く、それを教えている作曲やDTMの講師の方もいらっしゃいます。
やはりコード理論を勉強することにデメリットもいくつかあることから、そういった作曲法に逃げてしまう方も多いのは間違いないでしょう。
ですので、本記事ではコード理論が難しい、いらないなどといわれる理由、すなわちコード理論を学ぶことのデメリットについて解説し、その解決法を紹介していきたいと思います。
目次
コードを勉強するデメリット1 「コード理論は難しいイメージがある」の解決策
やはり一番デメリットは、コード理論に対して難しいというイメージが根強いことがあります。
確かにそう簡単には理解できないような話もあるにはあります。
ただ、難しいと感じる多くの理由は、
- 順番に学んでいない
- 理解していない講師から学んだ
という点がほとんどです。
順番に学んでいない
まず、コード理論は段階的に学んでいかないと理解が難しいです。
- 「音の名前」が分からないと楽譜は読めません。
- 楽譜が読めないと音程やスケールの理解ができません
- 音程やスケールに理解が無いとコードの構成ルールが分かりません。
- コードの構成ルールが分からないとダイアトニックコードは理解できません。
- ダイアトニックコートが理解できないとセカンダリードミナントは理解できません。
- セカンダリードミナントが理解できないとリレイティッドツーマイナーは理解できません。
・・・・・・
といった感じなので、いきなり途中のお話から入って、知識ゼロから「セカンダリードミナントだ」「ダイアトニックコードだ」といわれても「どこの国の言葉ですか?」という感想になってしまうのは否めないです。
算数や数学の話に例えれば、小学校1年生にいきなり「サインコサイン」や「数列」「ベクトル」のお話をしても訳が分からないと思います。
まず数字とは何ぞやという話から入り、足し算引き算、掛け算割り算、分数や少数、マイナスの概念、方程式・・・・などの順番があって、高校くらいでようやくサインコサインといった内容が理解できるようになります。(私は頭が悪いので高校数学は分かりません・・・)
当サイトでは、小学校の音楽の授業レベルのお話から順番に、かなりレベルの高い話まで数十記事にわたって解説していきます。
その際、アイキャッチ画像に通し番号がありますので(当記事はLESSON2に位置づけられます)、その順番通り学んでいただくことで理解していただけます。
また、そのページの内容を理解するために必要な前知識についてもできるだけ冒頭で列強しておきますのでご安心ください。
コード理論は確かに小学校の算数ほど甘くはありませんが、きちんと順番通り学んでいけば、高校の数学ほど難解なものではないと感じております。
理解していない人から学んでいる
コード理論というのはアメリカで体系化されたものなので、日本では少し情報がアメリカよりも遅れています。
さらに最近では、「専門知識が無くてもビジネスマーケティングをしっかりやれば作曲講師になれるよ」というノウハウが出回ってます。
そのため、作曲を教えている人でもあまり理解していないケースもあります。
あまり理解していない人から学んでも当然理解することはできません。
幸い私の師匠は音楽留学の経験のある方なので、深く学ぶことができました。
私が得た情報に、できるだけ習得しやすいような付加価値をつけてお届けしますので、信頼していただける方は次の記事以降も読んでいただけますと幸いです。
コードを勉強するデメリット2 「勉強のための勉強になりがち」の解決策
コード理論のお話は、基本的には数学でいうところの「公式」のようなものです。
数学でも公式を覚えるだけではだめで、それを活用して問題を解いていく必要があります。
コード理論でも同じように、ただただ理論について字面をよんで覚えるだけでは作曲に活かせず、いわゆる「勉強のための勉強」で終わってしまいます。
そして結局「コード理論なんかいらないよね」「意味ないよね」というお話になってしまうわけです。
感覚的作曲法では既存曲から取り入れたコード進行などはすぐに曲に活かせることから、この件のデメリット感は大きいかと思います。
しかし前回の記事でもお伝えしたように、感覚的作曲法ではそのうち限界が来る可能性が高いです。
コード理論を「勉強のための勉強」で終わらせないためには、学んだ理論の音の響きを五感で感じることが重要となっています。
- 習得した理論の響きを楽器やDTM打ち込みで鳴らしてみて繰り返し聴いてみる
といったことがまず重要となります。
当サイトでは、できるだけ文章とともに音声データも張り付け、耳でも体感していただけるようにしていきます。
さらに、
- 習得した理論が使われている個所を既存曲から見つける
ことも習得を早めるために重要です。
生の音楽から習得した理論を見つけ出し、前後の流れや使われ方を視覚聴覚で体感することで、より実用的に理論を楽曲に活かすことができるようになります。
その際耳コピができればベストですが、難しい場合は市販の楽譜などを購入して確認してみる方法でもOKです。
コードを勉強するデメリット3 「個性が無くなると言われる」の解決策
コード理論を勉強することを否定する方の多くは、「体系化された理論を習得すると、ルールに縛られて自由に作曲ができなくなり、個性が無くなる」と考える人もいますがそれは誤解です。
私もかつてそうで、「自分には自分の色があるから作曲について学ぶ必要はない」なんて恥ずかしいツイートをしてしまった過去があります。
あまり音大や音楽専門学校で学びたいとは思わないです。僕の音楽には僕の色があってそれを崩したくはないので。
— ジューシーたろう@ミュージッククリエイター (@14_taro_) September 2, 2021
学びたいのはそれをどうビジネスに繋げるかという経営学や、パソコン技術を向上させるための情報科学の分野かなと思います。
アホすぎるツイートだったと反省しています。
自分への戒めとしてそのツイートは今も消さずに残しています。
音楽理論やコードについて勉強するメリットと方法は?
こちらの記事でもお伝えしたように、理論を追加することで指数関数的にコード進行の選択肢が増え、その中から自在に組み合わせることでより個性豊かな表現が可能です。
慣れてくると「あえて理論から逸脱する」という技法も使えたりします。
私自身も上述した恥ずかしいツイートのような考えで作曲していた時期があり、その時は実際できていました(というよりはできていると自分では思っていました)が、月数曲ペースで作っているとある時期から限界を感じるようになりました。
そしてそのあと考えを改め、理論を学び始めたことで再びバリエーションが増え始めました。
まとめ
当記事では、コード理論を学ぶことについてのデメリットとその解決策を紹介しました。
- コード理論は順番通りに勉強していく
- 習得した理論がどのような音になるのか五感で体験することで習熟度が高まる
- 「理論に縛られると自由が無くなり個性がなくなる」は誤解でありむしろ逆
まとめると上記のような内容となります。
コード理論を勉強することに対して不安や抵抗があった方も安心していただけたかと思います。
次記事以降では、いよいよ本題に入っていきます。