スマホ等での歌録音のコツ5選!mixまでの手順も解説!

歌い手さんや歌物を作られる作編曲家の方で自分自身で歌入れをされる方向けに、お金をかけない方法その全体のやり方を以前詳しく解説しました。

歌の録音をアプリを使って無料でやってみよう!準備ややり方の徹底解説!

 上記記事で解説しましたのは全体の手順ですので、コツやうまくいかないときのやり方、オケになじませる具体的な方法が分からないかと思いますので、当記事で解説していきたいと思います。

 スマホでお金をかけずに行う人向けの情報ですが、もちろんマイクなどを購入してお金をかけてされる方でも活用していただける記事となっておりますので一読していただければと思います。

スマホ等での歌録音のコツ5選

 スマホなどで歌の録音をされる場合、以下の5つのポイントを押さえていただければうまくいくのではないかと思います。

 コツ1スマホと頭を動かさない

 

録音中にマイク口と頭の距離が変化すると録音の音量にに不自然なムラができます。

カラオケみたいに手に持って歌いたいと感じるかもしれませんが、どこかに固定し、歌う側もなるべく頭を動かさないことが重要です。

コツ2 5~6回収録して切り貼りをする

  最近は「ファーストテイク」みたいなのが流行っていますが、それにこだわらない場合はより高いクオリティを求めて複数回収録することが多いかと思います。

 最初のうちはまだ歌うコンディションが出来上がっておらず、回数を増やすと声が出るようになってきます。

 一方で何回も行っていると疲れてきて声が出なくなってきます。

 ざっくりした感じですが録音する回数とクオリティの関係は上図のようになります。だいたい3~4回目くらいが一番いい状況のことが多いです。

 その人の体力にもよりますがそのあとは疲れてきて声が出なくなってきます。

  1. 5~6回収録し、一番うまくいったテイクをベースにする
  2. その中で「声が裏返った」、「声かすれた」、「リズムや音程が大きくずれた」などの個所があればは他のテイクから使えそうなものを切り貼りします。(特にかすれや裏返りは機械での修正はできません)
  3. 使えそうなものが無い場合その部分だけとり直す

上記の手順でやっていくといいでしょう。

スマホ録音の場合、スマホ内で行ってからパソコンへ送る、すべてパソコンに送ってからパソコンで行う、のどちらでも構いません。

コツ3 1つのテイクも何回かに分けて収録する

カラオケやコンサート、ライブ配信などでは必ず通して歌わないといけませんが、録音はその必要はありません。

 1コーラスごと、フレーズごとに分けて収録し、いったん中断する際に息を整えていくと疲れにくいですし、疲れも取れてきます。

間奏のない場所で中断する場合は、2つのトラックに交互に収録し、最後に1つのファイルにします。(1つにすると前の収録の終わり部分などが上書きされてしまいます)

コツ4 切り貼りする際注意しよう

複数のテイクを切り貼りする際、つなぎ目の部分で、

  • ブレスが不自然に切れてしまう
  • 歌詞の子音が切れたり2回発音されたりする
  • 音量が不自然に変化してしまう

ということにならないよう注意しましょう。

そうなった場合は他のテイクを使うか、範囲を広げて録りなおします。

スマホ内で切り貼りする際はせっかく録音したものを消してしまわないように注意しましょう。

私自身、操作を間違えた時に、「元に戻す」を押しすぎて録音したものがおじゃんになった経験があります。

コツ5 ブレスなどのカットについて

 当然人間が歌うわけですから息を吸わないと酸欠になってしまいます。

 その息を吸う音、ブレス音をカットするかどうかは意見が分かれるところです。プロの歌手でもブレス音が大きく入っているものと入っていないものがあります。

 入っているほうが人間が歌っている以上自然だという考え方が主流ですが、あまりにも大げさに入っていたり、気になる場合はカットします。

 舌と口腔上部が当たった時の「チャッ」という音が気になる場合もありますが、こちらは消したほうが良いです。

これらのカットはスマホ上では難しいのでパソコンで行います。

気になる部分を拡大して選択し、カットします。カットした後はその前後を聞いて、

  • 不自然な切れ方をしていないか
  • 前後の歌詞の子音が切れたりしていないか

を必ず確認します。

こういった問題があればCtrl+Zを押して元に戻してやり直します。

歌のmix(オケと歌を合わせる)手順

 

たとえばCakewalk by Bandlab の場合、 オケファイル、歌のファイルを、おおよそ黄色い四角の場所あたりにドラッグアンドドロップすればオケと歌が合わさります。

ただしこれだけでは全くバランスもとれておらず、オケと歌がなじんでもいないので合わせていきます。

専門的にmixする場合はもっと奥が深いですが、こちらは初心者のために最低限必要な事項の解説となります。

こちらの記事や、上述したコツにも続いて生成された歌ファイルとオケを合わせる手順を説明します。

テンポBPMを曲と同じものにしておきます。(上記画像赤丸)

オケファイルと歌ファイルを合わせる形で解説していますが、例えば自身で作られた場合は複数のパート別プロジェクトファイルに合わせることになりますがここで解説する手順は同じです。

手順としては

  1. 歯擦音除去
  2. ピッチ補正
  3. コンプレッサー
  4. エコライザ(EQ)
  5. 音量調整
  6. 空間系エフェクト処理

となりますが、Cakewalk by Bandlab の場合歯擦音除去のプラグインが無いため割愛します。

また、ピッチ補正については以下の記事でで解説しています。

ピッチ補正をフリーソフトでやるには?インストールからやり方まで解説!

 

コンプレッサー

コンプレッサーは音圧を均等にして音割れを防ぐものです。

歌っていると気分的にAメロなどは静かに、サビなどは大声になりがちですし、不意に大きな声を出してしまうこともあります。

それらをある程度均一にするのがコンプレッサーの役割です。

ただしその音量の変化は人間らしさ、いい部分でもあるのでやりすぎにならない範囲で行います。

Cakewalk by Bandlab の場合左側にある「ProChannel」という部分で行います。

 「Ratio」は、音量が限界を超えた時に抑える度合いを意味していますが、「8」くらいにしておくと良いでしょう。

「imput」を、適切な音量になるくらいに設定します。

最初のうちはこれくらいで良いかと思います。

「Atack」はコンプレッサーがかかる速さ、「release」はコンプレッサーの解除の速さを意味します

「output」をあげてしまうとせっかく抑え込んだ音がまた上がって音が割れてしまうので基本いじりません。

エコライザ(EQ)

実は人の声は、倍音といって例えば「ド」の音を発生しているときでも、高低様々な音程の音が混じっています。その中で特定の音域を大きくしたり小さくしたりできるのがEQです。

エコライザ(EQ)は主に以下の3つの役割があります。

  1. 雑音のカット
  2. 音そのものを目立たせたり引っ込ませたりする
  3. 音質を調整する

1番については、静寂音など一定の音程のものに効果があります。

例えば「サー」という一定の雑音などが気になる場合は高音部分をカットすることで気にならなくなります。

2番についてですが、ボーカルの場合250~500Hzくらいがおいしい領域で、目立たせたいのでそのあたりを上げることが多いです。

また、ボーカル以外の楽器でその音域を小さくすることでボーカルを目立たせる術も良くとられます。

一方100Hz以下はカットしたほうが良いといわれています。

3番についてですが、3000Hz付近の領域を上げるとはっきりした声になり、250Hzの音域を上げると太い声になるので、音質の調整もできます。

Cakewalk by Bandlab の場合「Sonitus Equalizer」を使います。

 

 FX→「オーディオFXの挿入」→「EQ」→「Sonitus Equalizer」で開いて設定していきます。

下に数を入力したりつまみをいじることでも調整できますし、上のグラフを動かして直感で調整することもできます。

最後にもう一度コンプレッサーの「Imput」で音量バランスを整えます。

音量調整

 

一番最初にやりたくなりますが、基本的に音量調整は上記の処理をしてもバランスが合わない場合のみ行います。

Cakewalk by Bandlab の場合Altキーを押しながら「2」を押すとコンソールビューが開きますので、そちらでオケとボーカルの音量バランスを整えます。

基本は「大きすぎる音量を下げる」方向で合わせます、上げると音が割れる危険があります。

空間系エフェクト処理

空間系エフェクト処理は主にリバーブとディレイが良く使われます。

Cakewalk by BandLabダウンロードやインストールや始め方使い方を解説!

こちらの記事目次4.3を参考にセンドでリバーブを駆けます。

また、同じ手順でセンドでディレイもかけてみましょう。

マスタートラックを作成し、そこに対してFX→「オーディオFXの挿入」→「Deray」→「Sonitus Deray」で開いて設定していきます。

上記の方のツイートを参考にさせていただいて設定してみました。

「ディレイタイム」は、上記画面の黄色丸の部分を「OFF」にすることで設定可能です。

まとめ

「スマホ等での歌録音のコツ5選!mixまでの手順も解説!」と題し、歌入れのコツや簡易なmixの手順を説明いたしました。

  1. 頭や録音媒体を動かさずに歌唱
  2. テイクは4~5回行い、一番出来のいいものをベースに切り貼りする
  3. 1テイクも複数回に分けて収録する
  4. 切り貼りの際はブレス音や子音が不自然にならないように注意
  5. ブレス音などをカットしたい場合は不自然になったり前後の子音が切れないように注意

上記に注意しつつ収録し、

  1. ピッチ補正
  2. コンプレッサー
  3. エコライザ(EQ)
  4. 音量調整
  5. 空間系エフェクト処理

の順序でオケと歌を合わせていきます。

ピッチ補正をフリーソフトでやるには?インストールからやり方まで解説!

上記記事にてピッチ補正について説明していきます。