以前の記事にて、作曲とメロディがダサいと感じる場合の脱却法として、メロディに自由に使える音と制限付きの音を理解し、それぞれを有効的に使っていくことを説明しました。
メロディ作りの難しいところは、「絶対に使ってはいけない音」は存在しないけど、「だからと言って何でもかんでも自由奔放に使っていてはいけない」という点だと思います。
そして、自由に使える音しか使っていなければかっこいいメロディーを作ることは困難になるため、制限のある音も取り入れていく必要があります。
よりメロディを美しくするため、クロマチックな音や前記時で紹介した制限付きの音を有効的に使う方法があります。
それは、「アプローチノート」といわれ、コードトーンへと向かう形や、自由に使える音同士で挟み込む形が取られます。
本記事では、そんなアプローチノートの使い方を7つ紹介していきたいと思います。
なお、本記事の内容を理解するためには、メロディに使える音についての知識が必要となりますので、不安な方はリンクをクリックしてご覧ください。
目次
パッシングノート:制限なしの音同士で挟んで使用
△を付けたところがパッシングノートです。
コードトーンなどの、前記時で紹介した自由に使える音と音の間に制限付きの音を挟み込む形です。
挟んでいる2つの音と挟まれた真ん中の制限付きの音は階段状になります。
ネイバートーン :隣の制限なしの音に戻る形で使用
△を付けたところがネイバートーンです。
前記時で解説した自由に使える音から、隣の制限付きの音に移動し、そして針と糸で布を縫うように元に戻るパターンです。
アポジャトゥーラ:跳躍した制限なしの音に向かうネイバートーン
△を付けたところがアポジャトゥーラです。
ネイバートーンと似ていますが、前の音が跳躍しています。
クロマチックパッシングノート:半音階のパッシングノート
△を付けたところがクロマチックパッシングノートです。
パッシングノートと似ていますが、挟み込む2つの音と、挟まれた制限付きの音との3つの関係が半音階になっています。
これによって、そのキーのメジャースケール以外のクロマチックな音もメロディに有効活用できます。
なお、「アプローチノートのターゲットはコードトーン」と説明しているサイトもありますが、コードトーン以外でも制限なしの音であればターゲットになりえますので、上記でA(ラ)の音をターゲットとしていますが問題ありません。
エビスビールのCMに使われている「第3の男」という楽曲(JR山手線恵比寿駅の発車メロディーにもなっています)の歌いだしは、クロマチックパッシングノートが用いられています。
ダブルクロマチックアプローチ:2つの半音階によるパッシングノート
△を付けたところがダブルクロマチックアプローチです。
2つの自由に使える音で、2つの制限付きの音を挟みます。そしてその4つの音は半音階になっています。
インダイレクトレゾリューション:上下からの2つの制限付きの音でアプローチ
△を付けたところがインダイレクトレゾリューションです。
ターゲットの音(自由に使える音)の前に、上下から2つアプローチノートをつけてアプローチします。
エスケープトーン:制限付きの音の間に逆方向に進んだアプローチノートを配置
△を付けたところがエスケープトーンです。
自由に使える音同士で挟み込む形で使用しますが、挟み込む最初の音と後の音の向かう方向とは逆方向のアプローチノートへと進みます。
添付画像のように谷型、もしくは山型のメロディラインとなります。
まとめ
前記時で紹介した、制限付きの音や、スケール外のクロマチックな音をメロディとして有効活用する方法を7つ紹介しました。
- パッシングノート
- ネイバートーン
- アポジャトゥーラ
- クロマチックパッシングノート
- ダブルクロマチックアプローチ
- インダイレクトレゾリューション
- エスケープトーン
これらを使いこなすことで、よりメロディを美しくかっこよくすることができます。
メロディがきちんとできているか最終判断するのは耳です。
中には上記のどれにあたるのかはっきりせず、「こんな使い方できるかな」と不安になる場合もあるかと思いますが、その時は一度使ってみてください。
そして耳で聞いて奇麗であればOKですし、汚ければNGということになります。