皆様、沖縄を旅行されたことはありますでしょうか。青い海、青い空、白い砂浜やおいしい料理の他、沖縄独特の音楽も沖縄の魅力の1つでもあります。
その中でも、沖縄民謡をモチーフとしたポップス、いわゆる沖縄ポップスと呼ばれる音楽は、多くのミュージシャンに作曲され、歌われ、演奏され、そして大ヒットした曲も多くあります。
作曲をされている方は、そんな沖縄音楽を作曲してみたいと考える人も多いかと思います。
そこで本記事では、沖縄音楽を作曲するにあたり、よく使われる楽器や、音階、コード進行の他、沖縄音楽を作るにあたって最も重要なことを解説していきたいと思います。
沖縄音楽に使われる楽器は?
沖縄音楽に使われる代表的なものは「三線」と呼ばれる楽器です。
DTMerの方で、沖縄音楽を作曲する場合、三線の音源を探されている方もいるかもしれませんが、私が見渡した限り無料で配布されているものはないみたいです。
三線は、ギターなどと違って比較的とっつきやすい楽器なので、自身で弾いて録音するのもありかと思います。
三線の弾き方は、こちらの記事やこちらの記事で解説しています。
楽器を買ったり弾くのが億劫な場合、DAWには大概三味線の音は収録されているのでそちらで代用すれば比較的雰囲気が出やすいです。
その他、琉球笛(篠笛などで代用してもOK)や締め太鼓、パーランクという沖縄の太鼓もよく使われます。
それ以外に関しては、本当に民謡であれば三線とボーカルのみのものもありますが、沖縄ポップスということであればボーカル、三線の他はバンドと同じような楽器編成(ピアノ、ギター、ベース、ドラムなど)が良くとられます。
音階やコード進行は?
沖縄音楽には、独特の琉球音階があります。こちらの記事で、日本の音階についていくつか解説していますが、後半に「琉球音階」についての解説もありますのでご覧ください。
琉球音階は、メジャースケールのうち二番目と六番目の音、Cメジャーキーであればレとラの音がない5音の音階です。
この音階に基づいてメロディラインを作ってみると、沖縄っぽさが出やすくなります。
一方、レやラを絶対に使ってはいけないわけではありません。有名なThe BOOMの島唄にも、レヤラは出てきます。民謡でもレやラが全くないわけではありません。
「涙そうそう」のように、ペンタトニックスケール(日本の陽音階)に基づかれた沖縄ポップスも存在します。
時折琉球音階を混ぜるだけでも、沖縄っぽさを出せる場合もあります。
コード進行は、沖縄ポップスの場合は、J-POPと似たコード感でOKです。
カノン進行や、1625進行、1251進行など定番のものがよく使われます。
ただし、4和音(セブンス)が多めのJ-POPよりは、感情を素直に表現しやすい3和音(トライアド)のダイアトニックコードが多めです。
沖縄音楽の作曲に最も重要なものは?
さて、ここまでは沖縄音楽を作るのに使われやすい音楽的知識などについて解説してきましたが、それらはいわゆる「小手先」のものです。
沖縄音楽を作曲して人に感動してもらうには、作曲者が沖縄に寄り添った心を持っている必要があり、これが最も重要といえます。
沖縄に旅行に行くと、現地の人の温かさに触れることができますが、その温かさの中には、沖縄の悲しい歴史があることを忘れてはいけません。
上記は私のオリジナルの沖縄音楽です。琉球処分以降の沖縄の歴史についてざっとですが文字で解説しています。
廃藩置県、琉球処分以降、沖縄は我が国の捨て石にされ、そして今も多大な基地負担を押し付けられているうえ、辺野古というところに県民の反対を押し切って新基地が作られようとしています。
そのような事実に目を向け、沖縄の人に寄り添える気持ち、それが沖縄音楽の作曲には最も重要です。
そんなものは左翼の捏造だとか思っている人には、沖縄音楽で人を感動させることはできません。
一度沖縄に足を運び、平和記念公園などに行ってみると良いかと思います。
まとめ
本記事では、沖縄音楽を作曲するにあたり、よく使われる音楽的知識の他、最も重要なことについて解説してきました。
- 沖縄音楽には、「三線」という民族楽器がよく使われ、それは音源を探すほか自分自身で弾くのも良い
- 琉球音階や、J-POPの定番のコード進行がよく使われJ-POPよりも3和音のコードが多めになる。
- 沖縄音楽に最も大切なのは沖縄の歴史を学び、寄り添う気持ちを持つこと
ぜひとも本記事を参考に、素敵な沖縄の調べを生み出していただければと思います。