DTMでトラックを生成し、音色を設定して楽譜を打ち込むと、楽譜通りに演奏してくれます。
自分で演奏するとなるとうまい人でないと途中で演奏ミスなどをしてしまうこともあり、正確に演奏するにはそれなりに高い技術が必要です。
絶対にミスすることなく正確に演奏してくれるという点で、DAWの機械演奏はとても優れているといえます。
一方で弱点を言うと、入力されたとおりにしか演奏できないということです。
たとえば一流ピアニストの演奏を聴いてみてください。
ただ譜面通りだけでなく、とても演奏に温かみがあるのがお分かりになると思います。
これは楽譜通りDAWに打ち込んだだけでは再現できません。
その機械演奏の弱点を、ある程度補えてかつ簡単に使えるのが、Cubaseについている「ランダマイズ」という機能です。
使い方は簡単ですが、知っていないと分からないので説明していきたいと思います。
ランダマイズには、様々な機能がありますが、
- ベロシティをランダムに変化させる
- タイミングをランダムにずらす
という機能がよく使われますので、それらについてその方法を解説していきます。
ランダマイズ機能でベロシティをランダムにする
上記は、「キーエディタ」という画面です。ピアノロールのCubase版です。
Cubase11の場合、上部の「MIDI」から選択して開けます。
黄色丸で囲っているところを「ベロシティ」にしてみましょう。
そうすると、入力した各音の音量が表示されます。上記ですと一直線で終止100になっています。
この演奏が機械的だと感じたらランダマイズをかけてみましょう。
ランタマイズを駆けたい部分を選択し、「MIDI]→「ローカルエディター」を開きます。
黄色で囲んだところをクリックします。
「standardset1」→「random velocity 60 to 100」を選択します。
これで適用すると、選択したイベントのすべての音がベロシティが60-100の間でランダムに変化されます。
この数字はいじることができますので、ここでは70-100にしてみました。
この状態で、右下の「適用」をクリックするとベロシティが変化します。
もう一度キーエディタを開いてみて、一直線だったベロシティがガタガタになっていれば成功です。
これでも機械的だと感じれば数字の幅を大きくすればよいし、変化しすぎて不自然と感じたら数字の幅を小さくすればOKです。
タイミングをランダムにずらす
Cubaseのランダマイズ機能は、タイミングをランダムにずらす機能も付いています。
たとえばプロのピアニストの演奏を聴くと、常に一定のテンポではなく、心地よくテンポが揺れていることが分かります。
そのような人間味ある演奏に近づけるために使える機能です。
タイミングをずらす機能を使う場合は、失敗しておかしくなった場合操作で元に戻すのが困難なので、実施前にファイルのバックアップを取っておきましょう。
同じように、ランタマイズを駆けたい部分を選択し、「MIDI]→「ローカルエディター」を開きます。
「standardset1」→「push forward +4」を選択します。
次に、「操作」の部分をクリックし、「相対的なランダム値を加算」をクリックします。
するとパラメータ1とパラメータ2の部分に、-100という数値が表示されますので、この数字をいじります。
おおよそパラメータ1を-10、パラメータ2を10くらいにしておくとよいです。
余り大きくすると不自然になりますのでこれくらいにしておきましょう。
それで適用をすれば選択した部分のタイミングがランダムに変化します。
まとめ
本記事では、DTM機械演奏の弱点である「演奏が単調になる」という点を改善する簡単な方法を2つ紹介してみました。
- random velocityで音量に変化をつける
- Push forward でテンポを揺らす
等といった方法が簡単にできます。
どちらも使いすぎたらおかしくなるので、自然に変化する程度にとどめておくと良いでしょう。
本記事は、Cubase11の操作画面を表示しておりますので、より新しいものや旧式の者の場合表示が異なる場合もあるのでご了承ください。