「音楽に政治を持ち込むな」が間違いである理由!批判的な音楽は有り?

 一般人、著名人問わず、「音楽に政治を持ち込むな」という意見を持つ人がいます。

 そして、ミュージシャンが時折政治に対して批判的な発言をすると、そういった考えの人たちによって叩かれ、炎上させられてしまうという現実があります。

 それは音楽だけではなく、例えばスポーツの世界でもあります。

テニスの大坂なおみ選手が、差別の撲滅などを訴えると、しきりに「スポーツに政治を持ち込むな」と炎上させられたことは比較的記憶に新しいです。

 このようなことは正しいのでしょうか?

 社会性のある、政治批判的な音楽を世に配信することはありなのか?ということを本記事では解説してみたいと思います。

 先に結論をお伝えしますと、「音楽に政治を持ち込むな」は間違いであり、社会性、政治的な音楽を配信することはOKです。ただし注意事項はあります、ということになります。

「音楽に政治を持ち込むな」が間違いである理由!

 「音楽に政治を持ち込むな」が間違いである理由として、まず1つはポピュラーミュージックの歴史にあります。

 もともとクラシック音楽というのは、作曲家が王様に捧げるためのものでしたが、産業革命以降庶民が音楽を楽しむようになり、そこから様々なポピュラーミュージックが生まれてきます。

 つまり、特にポピュラーミュージックは庶民の音楽であり、庶民の気持ちを音楽のメッセージに込めることは自然なのです。

 欧米では当たり前のように反戦、反政府的な音楽をミュージシャンが奏でることが多くあります。

直接音楽のメッセージにいれなくとも、SNSなどでミュージシャンが社会性のある発言をすることもあります。

 日本でも、反戦や反差別を歌った曲はいくつかあります。

 たとえば、サザンオールスターズの「ピースとハイライト」という楽曲は、人種差別や人同士の争いが無くなることを祈って作られた歌です。

 このころから「ヘイトスピーチ」と呼ばれるものが社会問題化しました。東京の新大久保や大阪の鶴嘴など、在日コリアンの方々が多く暮らすような場所で、差別主義集団による人種差別的な凱旋が頻繁に行われるようになりました。

 そういった問題にも踏み込んだ曲となっています。

また、音楽以外の所で政治的なメッセージを残すミュージシャンもいます。

いまはお亡くなりになられてますが、忌野清志郎さんも反戦平和について世の中にメッセージを残しています。

 ご存命の型であれば、BOØWYのドラムの高橋まことさんなどはツイッターで今の政治の問題点を鋭い言葉でつぶやかれています。

 その反骨精神こそが「ロック魂」であり、反骨精神のないミュージシャンは本物ではないといっても過言ではありません。

政治批判的な音楽は有りか無しか?

 政治批判的な音楽がありか無か、という問いに関しては、「断然あり」という結論です。

私もそのような音楽をいくつか作っています。

 上記楽曲は、国会議員や大手企業経営者など、権力を持った人が自分への批判を抑えるために、批判してきた人を「名誉棄損」とこじつけて訴訟を起こす、いわゆる「スラップ訴訟」について、皮肉を込めて悪側の立場で歌にしたものです。

 上記楽曲は、同性愛者の立場で書いたラブソングです。

「LGBTは生産性が無い」と差別的な発言をした国会議員がいたことや、お笑い芸人が同性愛者を馬鹿にしたような形で笑いを取ろうとしたことに対する抗議の意味も込めています。

 なにより、同性婚が法的に認められていないこの国の異常な実態について踏み込んだ詩にもなっています。

社会性のある音楽を配信する際の注意点

 

 社会性のある音楽や政治批判的な音楽を配信する際の注意点があります。

それは、「テレビで活躍するミュージシャン」を目指す人はそれをしてはいけないという点です。

 ありえないような話ですが、残念ながら、日本のテレビ番組にはスポンサーがついていて、テレビ番組はスポンサーのものであるというのが実態です。

 スポンサーから広告費をもらうことで番組が成り立っています。

 そしてそのスポンサーというのは、公権力と太いパイプでつながっています。

 たとえば、電力会社がスポンサーについている番組で、「反原発」を叫ぶと、スポンサーを否定するような発言としてテレビから消されてしまいます。

 沖縄の辺野古ということろに、県民の反対を押し切って新しい米軍基地の建設が無理やり進められていますが、その工事を請け負っている業者がスポンサーについている番組もあります。

 テレビ番組のスポンサーになるような大企業は、組織票で現在の与党の政治家にに議員バッジを与え、その見返りとして与党は庶民を無視した大企業向けの政策を打つようになっています。

 これらにより、テレビで政治批判的なことは言えないのが現状であり、そういった歌をテレビで流すことも困難な時代となっています。

 日本の報道の自由度は先進国で最低レベルとなっています。

 ですので、テレビで活躍するミュージシャンを目指す場合は、社会性のある音楽がNGになるということです。

 何より言いたいことは、「テレビで活躍するミュージシャン以外のミュージシャンを目指そう!」ということです。

まとめ

 

 少し難しいお話でしたが、「音楽に政治を持ち込むな」のおかしさと、社会性のある音楽を作る場合の注意点についてまとめてみました。

  • 「音楽に政治を持ち込むな」は大きな間違い
  • どんどん社会性のある音楽を作っていくのが望ましい
  • ただしテレビでは権力に不都合なことは言えない
  • テレビで活躍するミュージシャン以外の形態のミュージシャンを目指そう

ということになります。

社会性のある音楽、ない音楽の両方がバランスよくあることで、世の中の音楽も充実していくことは間違いないでしょう。

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