2019年2月24日に、普天間基地の移設のための辺野古の埋め立ての賛否についての県民投票が行われました。
投票率こそ52%とやや伸び悩みましたが、結果は圧倒的な基地反対の民意が示されたと言えます。
一方で、安倍総理大臣は、来月頭に玉城デニー知事との面会は受け入れる予定ですが、県民投票で示された民意は無視して、辺野古の埋め立てを粛々と進める予定です。
本ページでは、沖縄県民投票での各市町村の結果の考察や、民意無視を決め込んだ安倍政権の今後について考えてみたいと思います。
沖縄県民投票の各市町村の結果は?
沖縄県全体では、
- 賛成 434273票
- 反対 114933票
- とちらでもない 52682票
となり、投票者の72%が反対の意思を示し、圧倒的な反対の民意が示されました。反対票数は全有権者の4分の1を超えたので、玉城デニー知事は民意を尊重し、日米政府に結果を報告する予定です。市町村別の得票数を見ると興味深いです。
宜野湾市の投票結果
宜野湾市は普天間基地があります。市民の多くはいち早く世界一危険な普天間を撤去してほしいと考えているので、この市域は辺野古埋め立てが賛成多数になりやすい地区ですが、結果は、
- 賛成 6943票
- 反対 26439票
- どちらでもない 3500票
となり、普天間を抱える宜野湾市ですら、辺野古埋め立ては圧倒的に反対でした。
石垣市の投票結果
沖縄県の米軍基地の必要性について、中国の海洋進出に備えるという理由もあげられることが多いです。
度々中国が領海侵犯を繰り返している尖閣諸島は、石垣市に所属しています。
石垣市民は抑止力のためにも賛成という市民が多いかなと予想されますが、結果は、
- 賛成 3566票
- 反対 12165票
- どちらでもない 1259票
となり、尖閣諸島問題を抱える石垣市ですら反対が圧倒的に多かったです。
多良間村の投票結果
多良間村は、宮古島と石垣島の間にある多良間島全域が村域となる村です。
先の知事選では、沖縄全体では玉城デニーさんが圧勝でしたが、多良間に関しては佐喜真さんがダブルスコア以上で多く票を得ています。
佐喜真さんの好感度が高い地区なら。辺野古埋め立て賛成の村民も多いのかな、と思いますが、結果は
- 賛成 133票
- 反対 254票
- どちらでもない 35票
知事選の時とスコアが逆転していますね。
北大東村の投票結果は?
北大東村が、沖縄県全市町村の中で、唯一反対票が過半数にならなかった地域です。
- 賛成 78票
- 反対 109票
- どちらでもない 51票
しかしそれでも反対が賛成を上回っています。
どちらでもないは、反対を減らす効果が確認されていますので、賛成反対の2択なら確実に反対多数になっていたでしょう。
つまりは?
さらには、出口調査によると自民公明支持層も反対多数だったようです。
このように、賛成が多そうな地域や属性においても、反対多数となっています。
もう、沖縄県の辺野古埋め立て反対が民意なことは誰も否定できません。
スポンサーリンク民意無視の安倍政権の今後は?
これだけはっきりと民意が示されたにも関わらず、安倍政権は結果無視を決め込んでいます。
このまま無視し続ける事は可能なのでしょうか。
玉城デニー知事は、埋め立て承認の再撤回を行う予定です。
また、マヨネーズ状軟弱地盤のため工事も困難視されています。
ゆくゆくは再び国と県との裁判になるでしょう。
日本の司法が生きていれば、今度は国は敗訴すると思われます。
前回県が敗訴したのは、知事選だけでは、いろんな争点があるから基地反対の民意とは言えない、というのが主な理由でした。
今回は、辺野古埋め立てという1つの焦点のみの投票で、圧倒的な民意を示せたので、県に勝ち目はあるでしょう。
県が負けるならこの国の司法は機能していません。
もし県が負けても、日本国民が、沖縄の民意を無視する政権に審判を与えれば辺野古は止まります。
最終的に、司法が国民のどちらかにでも良識があれば、辺野古の埋め立ては止まると思います。